トヨタ生産方式にひとこと。〜第1回:混種ライン生産

TOYOTAの現場から感じた、トヨタ生産方式について斬りたいと思います。


トヨタでは、プレスから組み立てまでを20hで1台の車を作る。
そのラインの驚きは、1つのラインで一台一台順番に違う車が組み立てられているところだ。
混種生産によって、お客様の受注順に生産することができる。
これは、受注生産によって、在庫をなくすトヨタの知恵である。
将来的に、お客様がそれぞれオーダーメイドで車を必要とする時代まで想定しているのだろう。


この混種生産では、組み立て工場員は、指示ビラにかかれた作業を黙々とこなす。
書かれたことをただ行うという単純作業なのだが、どんどん違う車が来るので単調にならず、慣れから来るミスを防ぐ。
遅れやトラブルがあれば、ヒモスイッチでリーダーを呼んで、解消する。
作業ラインで対応が無理な場合は、生産をSTOPして後工程に不良品を決して流さない。


まあこれだけ聞くと、クオリティ重視で生産をストップしているように聞こえるってかトヨタは言ってるのだが。
実は在庫生産ではなく受注生産だから、不良品を1台も作ることができないのではないか。
在庫生産なら、効率的に同じものを大量に作り、不良品は試験で抽出して排除することができる。
しかし、受注生産だとすべてが完全な品物でないといけない。
結果として生産ラインをストップして対応せざるを得ないのだ。
カイゼンとしては、不良品・トラブル品だけラインから外して対応することも可能だが。
作業効率を考えると今の仕組みでは現在の方がいいのだろう。



しかし、その完全な作業体制はすごい。
2hに10分、休憩時間はラインをストップして強制的に休む。
残業時間はロスタイムの30分までしか表示がない。
これは標準作業時間が完全に把握されていて、的確に振り分け、作業が完全にコントロールされている強みだろう。
生産性は高まるだろうが、そこからクリエイティブは生まれるのだろうか?
それはまた次回のお話。。