情報化月間パネルディスカッション「高度IT人材の育成に向けて」

「高度IT人材の育成に向けて」と題して。
・パネリスト
SI企業から、重木昭信・NTTデータ副社長。
情報処理学会から、有賀貞一・CSKホールディングス代表取締役
SE開発現場から、冨永章・日本IBM技術顧問。
大学側から、阿草滋・名古屋大学大学院情報科学研究科教授。
・モデレーター
田口潤・日経BP社コンピュータ・ネットワーク局プロジェクト推進部長。


トピックは、
1.ユーザ企業側のITリテラシーについて
2.日本のIT投資の効果が生産性向上に繋がっていないことについて-
3.IT産業側の職場の現状問題について
4.IT業界の学生からの人気低下について
等である。


1.については、有賀氏は「IT企業側とユーザを繋ぐ、『国語力』が低下している」と言い、コミュニケーション力の低下を示唆した。
ユーザ側だけでなく、IT企業側も採用する学生のITリテラシーはバラつきがあるという話題となる。
私は、初等・中等教育からの、幅広い知識としてのITリテラシーを全員が共有する必要があると感じる。
理科離れと同様に、数学力・物理力(論理力)と共に、企業人としての必要能力ではないのだろうか。


2.については、重木氏が「日本のシステムは『オーダーメイド』で、米国のは『既製服』」と分析。
有賀氏は「今後、トップリーディングカンパニー以外は既製服を利用する」と示唆。
パッケージ等の既製服を効率的に利用するのは必要条件だが、ITを用いるための経営戦略をしっかりと持つことも重要だという、午前の経産省の方のお話が思い出された。


3.については、3Kと言われ、できる人ほど仕事が集中する現状について意見を出し合った。
有賀氏は「できる人には、それなりの報いを与える仕組みが必要」と示唆。
冨永氏は「プログラムをインドに出せば言い訳ではない。プログラムからやって、面白いところを知る」必要性もあるという。
阿草氏は「優秀な学生は、自分ですべて作ってしまう。もっと人に説明できるものを書け」と教育する。
私は現場の人間として、構造改革は必須と考える。
報いは、金銭的な報酬だけでなく、「面白い」と感じる仕事が必要と感じる。


4.については、阿草氏は「今の学生は二分化している。ゲームをやりたい等の明確な目的を持っている人と、そうでない人」と言及。
冨永氏は「米国では、元プログラマーの大富豪など、個人の名前が表に出る。モデルとなる若者が必要」と提言。
重木氏は「建築のようにシステムは目に見えないので、もっと目に見えるようにアピールする必要がある」と言う。
私は、モデルとなる若者、時代の寵児ホリえもん』を抹殺してしまう、日本産業界の『出る杭を打つ』体質に問題があるのだろうか?と考えてしまう。