情報化月間基調公演「セブン‐イレブンの経営と総合情報システム」

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 代表取締役社長最高執行責任者(COO)の山口俊郎さんの公演。
要約すると、総合情報システムがなければ、7-11はここまでの多店舗経営はできなかったと。
7-11のフランチャイズ方式、集中出店、商品開発小売業、効率化された物流網という特性のビジネスをサポートするために、総合情報システムがある。
システム在りきではなく、ビジネスをサポートするためにシステムはあるのだ。


7-11の物流やら工場やらの説明があったのだが、その中で最も重要だと言ってたのが『チームMD』。
国内外メーカやお取引先、物流企業などが垣根を越えチームとして情報を共有しながら高品質なオリジナル商品を開発している。
バイヤーと言わず、MDというのは、バイヤーは物を選ぶ人だが、MDは物を一緒に作る人という意思。
トヨタのG会社すべてでトヨタ方式を共有するのと似ている。
全員がALL-WINである必要があるのだ。


さて、このチームMDの第一ステップで「POSデータ、市場情報による商品コンセプトの検討」とある。
このシステムを用いたマーケティング能力に7-11の躍進の秘密があると私は注目していたのだが。
山口社長は、POSデータは商品開発には使わないと言っていた。
参考にするかもしれないが、開発や発注はあくまで人間が考えるらしい。
仮説→実施→検証→現状分析のサイクルを回すようだが、どこまでそのノウハウが残っているのか、共有されているのかが気になる。
以前、鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEOが「PRESIDENT」ではPOSデータから顧客の心理を読むと言っていたので、ここの全社的な戦略に7-11のマーケティングの秘密があるのだろうと考える。


後は、気になっていた「nanaco」についてだが。
固定客の囲い込みに利用とだけ言及。
まだそれだけなのか、企画段階なのかはわからない。
顧客のロイヤリティ(忠誠度)の高さが7-11の最大の強みと世に言われる。
今後は、「nanaco」導入によって顧客単位のマーケティングというのも可能となる。
他にも私が以前から提唱しているレジ袋未使用者のエコポイント還元も可能となる。
無限の可能性をどう使うか、これからが見物である。