トヨタ生産方式にひとこと。〜第2回:創意工夫提案制度

トヨタの強さの秘密は現場力といわれる。
トヨタの現場力を物語る制度として創意工夫提案制度というものがある。
現場をカイゼンする提案をすると、500〜20万円の報酬が与えられる仕組み。
報酬だけでなく出世にも影響するし、自分のアイディアが認められるというモチベーションアップにも繋がる。


社員は1ヶ月に1回の改善案を出さなくてはならない。
そうやって毎月繰り返して行うことによって、毎日改善点を探さなくてはいけないという意識が生まれる。
そして自然にカイゼン案を考えるようになるのだ。
キャノンでは歩くスピードも設定されてるというが、それくらい大げさなことをすることによって、社員に効率的にやらねばという意識を持たせることが大事なのだろう。
もちろん、会社のその改善案を受け止めて実現させるという行為も必要だ。


トヨタの強さは、現場の社員のカイゼン意識と、それを引き出す組織にある」と見た。



ちなみに私はこの創意工夫提案制度を教育現場にも導入すべきだというのが、かねてからの持論である。



さて、じゃあトヨタの弱みは?
この創意工夫制度の中に見て取れた。
この制度は、現場のカイゼンにしか適用されない。
組織の改善や、他部門の斬新な企画・アイディアは採用されないのだ。
つまり、所詮現場レベルで終わってしまうということ。
もちろん、最強の現場力を持つことは大事なのだが。
現場と上部との意識がかけ離れている気がする。
私の思う最強の企業は現場から生まれたアイディアを最大限に企業が援助するというクリエイティブ・フォーメーションを持っている企業なので。
たぶんトヨタは、上部が現場意識を失った時に崩れて行くのではないだろうか。



私は修活の時にトヨタは選択肢になかったのだが。
その理由は、場所が名古屋の外れだから・・・
それはトヨタの最大の弱点であると思う。
そうやって、修活で優秀な学生を多く逃しても、最強の社員を作る必要があったから、こういった工夫が生まれたのではないだろうか。。