「史上空前の論文ねつ造」(NHK-BSドキュメンタリー上映会)その2

こっからは、私の見解、のえるのひとこと。


この事件のおもしろいのは、「物理」で捏造が起こったこと。
前に考古学でゴッドハンドの捏造が発覚し、ニュースになったが。
考古学なんてのは、発見された土器を権威のある人が「うむ、縄文式。」と言えば、縄文時代と判定されるくらいの学問である。
最近では、14法などで科学的に正確な判定が出来るようになったため、縄文・弥生時代の年代が大幅にずれたくらいだ。
権威に隠されて、真実が見えなかったという点では今回の事件と共通点があるだろう。
しかし、「物理」という、科学的に合理的な学問で捏造が起きたのだ。
物理で捏造なんてある訳ないという思い込み、そのためのチェック意識の甘さなど、学会全体の意識の問題も番組は指摘していた。


あとは、研究所について。
ベル研究所は大会社の研究機関なのだが、民間なのでもちろん、すぐに利益を生み出す発明を求められる。
ベル研のそのプレッシャーはすごいようで、シェーンはプレッシャーに潰されたのではないかとの見方もある。
発明対価問題の反論で、基礎研ではなく、特許で利益を得るだけのもしか研究しなくなり、研究が廃れていくという意見がある。
民間企業なら、最大の利潤を追求するのは使命なので、仕方がないことなのだが。
私はやはり、研究は公共的なものだと思う。
公共財の条件として、非競合性非排除性がある。
研究は当てはまるのだが、非排除性を防ぐ手段として、特許権などの権利が与えられている。
つまり、特許に直結しないものは、公共財なのだ。
政府は、そういう分野に補助をして成長させるべきである。
そして特許などで直接利益を生み出すものは、民間を利用して成長させればよい。
こうして日本を科学技術大国へと発展させるのだよ!