フィンランドの義務教育

7日に公表された経済協力開発機構OECD)の国際的な学習到達度調査(PISA)で日本の能力低下が明らかになり、問題になってますが。
文科省の中の人も、全国一斉テストだ、土曜授業だ、地方裁量だと大変ですが。
そこで、調査でトップの優秀な成績を修めたフィンランドの義務教育の現場と、私の経験則から理想の教育を探る。
朝日新聞の記事を参考に。


フィンランドの中2の数学の授業。
問題でわからないところがあれば、まずは生徒同士が教えることになっている。
「一人ひとりが何ができて何ができないのかを自覚することが大事。出来ない子を教えれば、より理解を深められる」
フィンランドでは標準的な考え方のようだ。

そういえば私も初恋の子が隣の席で、数学を教えてと聞いてくるのが嬉しかった青春のおもひ出がある。
私自身も教える為に一生懸命理解し、どうすればあの子が理解してくれるか工夫した。
「人に教えられて、初めて理解できている」とよく言われる。
その子も先生に聞くより、身近だし、わかり易いし、親切だし、より理解できたに違いない・・・そうであって欲しい。


他に、フィンランドにはテストでランク付けする仕組みがなく、高校進学に影響する中3の成績以外は、成績を決める明確な基準もない。

私は中学では順位が発表されていたが、中2の3学期まではほとんど気にせずにいた。
どうせ定期テストなんて、その期間にやったことの暗記テストみたいなもので、大本を理解することが大切だと思っていたからだ。
数学の定義なんて後から必要なものだけ覚え直せばいい。
それよりも「そのこころ」が大切なのだ。
まあこのやり方は理解度や実践力は深まるが、大学の単位を取るための授業には向かないという弱点も後々発覚する。


また、担当教師や子供自身の判断で、子供が別室に移り、理解度に合わせた指導を受けるのがフィンランドでは一般的だ。

私が中2の3学期から成績を気にしたのは、高校受験で内申点が必要と言うバカな制度のためだ。
私はナルシズムを掲げているので、理想の高校に入れない自分を想像すると生きていけないと思ったので、勉強を始めた。
中3の授業はまとめ的だし、中2の3学期に今までのことを完璧にしとけば、優位を持って授業に望める。
3学期の成績ってのはおもしろいもので、その学期だけがんばってもダメで、前の学期を総合して付けられる。
だから3年生中は良い成績を取る必要がある。
という戦略のもとである。
まあ言いたいことは、要は本人のやる気が大切ということです。



で、それを実践するためのフィンランドの政策ですが。
まず、教育の目標や内容の決定権が94年に国から地方に移された。
学習が遅れた子供への特別授業も慣習から制度化される。
ヘルンシキ市のモデル校では、小中一貫で学校にかなりの裁量が与えられている。
「教師が話し合い、得意な分野を生かし、苦手なところを補うようにしている」
小中で専門分野の授業に特化したり、時間割にXマークを入れ、学習の進み方に合わせて教科を決めたりする。


これを具現化する教師の育成のために、修士課程修了のを原則としている。
さらに国の予算で継続教育をし、質の向上に努めている。
今回の数学・科学の成績アップには「数学・自然科学における技術向上プロジェクト」の影響がある。
企業やメディアを巻き込んで、数学、科学への関心を高め、小学校の教師でも数学を専門に教える資格を取れば特別給が加算される制度ができた。
日本も、これくらいの取り組みが必要だろう。


最後に、フィンランドが今後の課題として「教職をいかに魅力的な仕事にするか」をあげている。
日本では少し前まで、どこにも就職できなかったり、他に仕事がなかった人間が教師になってきた。
そんなやる気のない人らの給与は下げ、本当に教育の才能のある人を評価する仕組みが必要だろう。
よし、これで文科省と・・・戦う機会があるかな?